日医標準レセプトソフトクラウド版の次世代クラウド版としてGoogle Chromeで動作するWebORCAが2021年10月にリリースされて注目を集めつつあります。

今までのクラウド版ORCAの様々な問題点を改善するために、クラウド上のデータベース環境を単純化し、センター内二重化からセンター自体を二重化して、大きく変更するとともに、Web環境をプラットホームとし、Google Chromeをクライアントとして採用して、インターネット環境として最強のセキュリティ環境と言える動作環境とそれによって大きく改善されたレスポンスが特徴となっています。

WebORCAとデータセンター

現行のGinBeeの場合はどうしてもオンプレ版と比較するとレスポンスで見劣りするところがありました。それ以外のメンテナンス性や安心安全を考えた場合には圧倒的に優位であるとしてもレスポンスではどうしてもオンプレ版が良いという意見が結構ありました。しかし、この問題が解消されて、現行の5Gに代表される通信環境の向上も相まってレスポンス問題は殆ど解消されたと言っても過言では無くなったのです。

地震や水害などの自然災害ばかりではなく、最近はランサムウェアによる攻撃で病院やクリニックの機能がマヒしてしまう事件も多発していますが、クラウドシステムによる厳重なセキュリティ管理はこれからの時代では常識になると思われます。

2021年10月に徳島県の病院にサイバー攻撃が仕掛けられて約85000人分の電子カルテが閲覧不可になる事件が大きく報道された。電子カルテのメインサーバーとバックアップサーバーがウィルスによって暗号化されてしまい使えなくされてしまった。

真夜中に攻撃は行われて、病院内の約50台のプリンタが一斉に動き出し、大量の紙が印刷されたという。まるで、映画の様な事が現実に起こったのでした。ここはオンプレ型のサーバーが導入されていたようですが、もしもクラウド型であれば病院のネットワークだけではなくクラウドデータセンターのネットワークにも侵入しなければならないのでサイバー攻撃は成功しなかったと想像されます。城で言えば外堀だけではなく内堀も崩さなければ本丸には到達出来ないようなものと思われます。

WebORCA構成図

今では当たり前となっているインターネットやクラウドも普及する以前には拠点間の通信を行うには莫大な費用がかかり大企業のみが実現可能にしていた技術であった。それ故に無料だから当たり前だからと軽く考えてはならないと思われます。日医標準レセプトソフトのクラウド版とオンプレ版との間には比較出来ない程の差が存在しているのです。その違いが分かれば即刻にクラウド版にすると思うのですが普及には何事もそうですが時間がかかるようです。

医療機関におけるネットワークにおいては多くの不安や課題が存在します。このために政府は医療分野におけるクラウドサービスの利用についてのルールや守るべき規範をまとめたガイドラインを定めています。

ガイドラインは、医療分野を管轄する厚生労働省、総務省、経済産業省の3省がそれぞれ出しており、この3省が出している3つのガイドラインを総称して、「3省3ガイドライン」と呼ばれています。WebORCAかこれに準拠しているのは言うまでもありません。

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